お知らせ

あごガード付き野球用ヘルメットについて

春の甲子園の最中ですが、あごガードのついた野球ヘルメットを使っている球児の姿が見られるようになりました。昨年、SG基準が改定されて、あごガード付きヘルメットが対象となったことを受けてのことです。

あごガード付きのヘルメットは、多くの大リーグ選手が使っていおり、日本のプロ野球でも使用が広がっていました。草野球でも、あごガードをつけたヘルメットを使う選手を見かけることはありました。

見かけは、ガードする部分が広がってより安全になったように見えました。しかし、それらのほとんどは、ヘルメットを改造してあごガードを取り付けたものでした。実は、あご部分の部品を取り付ける際には、ヘルメットの耳の辺りに装着された衝撃緩衝材を取り外します。衝撃緩衝材をつけなおす人もいますが、きちんとした性能がでるかはわかりません。耳の辺りと言えば頭部の重要な部分ですが、あごガードを取り付けることでかえって危険が増大することさえあるのです。SGマーク制度では、このような改造を行った製品はSG基準を満たすとはみなさず、SG賠償保険の対象とはなりません。

しかし、あご部分もよりしっかりと保護したいというニーズがあってのこと。製品安全協会は、ヘルメット製造事業者らと、どのような対応が可能なのか検討を行っていました。その結果、初めからあごガードをつけることができるように設計することで、あごガード部分も含めてSG基準が求める性能を満たす製品を作ることができることが確認できました。このため、製品開発と並行してSG基準の改定を進め、2021年4月2日に基準改正を行いました。これを受けた製品がようやく市中に出回るようになり、今年の春の高校野球の球児たちが使い始めるようになったのです。

このように、SG基準は、技術進歩、新製品開発と世の中のニーズの変化を捉えて、関連する事業者らとも連携してタイムリーに改正を行ってきています。基準制定、改定のご提案などあれば、遠慮なくご連絡ください。

(参考)メルマガ第36号 あごガード付き野球用ヘルメットが誕生
第36号 あごガード付き野球用ヘルメットが誕生 | 製品安全協会CPSA (sg-mark.org)

2021年度