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第90号 子ども用製品の強制規格化にむけて
現在、政府の審議会において、一部の子ども用製品を強制規格の対象として事前規制する方向で検討が進められています。その検討の中間とりまとめ(案)が公開されてパブリック・コメントを受け付けています(2024年1月18日まで)。
製品安全協会は、子ども用製品による事故の発生を防止する観点から、強制規格化は重要な方向性であると考え、この中間とりまとめの内容に基本的に賛同しています。とりまとめ案では、製品安全に関する既存の認証制度であるSGマーク制度、STマーク制度を活用していく方針が明記されています。SGマーク制度を運営する弊協会としては、子ども用製品の安全強化に一層の貢献をして参ります。
弊協会は、子ども用製品について新たな強制規格を導入する際に、製品ごとに、日本における当該製品の使われ方、安全に対する社会の要請などを十分に踏まえることが必要であることを指摘してきました。
メルマガ88号、89号でご紹介した通り、ベビーカーや抱っこひもの事例は、製品の使われ方や製品に求める安全性が海外と日本において異なっているものです。SG基準は、学識経験者、事業者、消費者団体、検査機関、行政機関の関係者が集まって日本に合った安全基準を制定・改正してきたものです。弊協会は、このような実情、経緯を踏まえた規制が行われることが必要と考えます。そして、変化を続ける製品のバリエーションに対して、適切な対応が行えるようにタイムリーな基準の制定・改正を行っていくことが必要であると考えます。
また、製品は、使用しなくても経年劣化して安全性が低下することを認識し、耐用年数を迎えたものは買い換えることが製品を安全に使用する上で重要です。中古品は、その製品がどのように使用されてきたのか、不具合はないか、といった点がわかりにくいという問題があります。製造・販売事業者が適切な情報や警告を出さなかった場合、不利益事実の不告知となる可能性もあります。万が一、中古品で製品事故が発生した際に誰がその責任を負うのかについても、整理しておく必要があるでしょう。新たな規制にあたっては、こうした観点も踏まえる必要があります。
ご参考までに、産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 製品安全小委員会において弊協会が行ったコメントをご覧ください。下記リンクから参照できます。
産業構造審議会 パブリック・コメント
子ども用製品強制規格化(中間報告書案)に対する製品安全協会の意見
メルマガ第88号、第89号
2023年度