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第80号 その中古品、安全ですか?

「中古で購入したSGマーク付き製品だが、事故の際に賠償されるのでしょうか?」という問い合わせを受けることがあります。できる場合もあればできない場合もあるというのがお答えになりますが、少し丁寧にご説明したいと思います。

SGマーク付き製品を使った際の事故で賠償ができる条件は、①SGマークがついていてその有効期間内であること、②製品に欠陥が認められること、③製品の欠陥が事故の原因となったこと、がすべて満たされている場合です。製品の欠陥とは、製品本来の設計や仕様が、その製品を想定される使い方をしていたにもかかわらず、破損、変形、部品の脱離、動作不良などの問題が生じた状況を言います。使用上の注意が適切になされていなかったことにより問題が生じた場合は、原則、対象となりません。

中古品の場合は、どのように使われてきたかがわからないことで、欠陥の判断が難しくなる事態が生じやすいです。さらに、購入時に取扱説明書が添付されていない場合は、使い手が使い方を誤る可能性が生じます。それにより事故が生じた場合は賠償の対象とはなりません。欠陥を認識しながら使用を続けて事故が発生した場合も賠償の対象とはなりません。このように、中古品の場合は、協会として賠償ができなくなる可能性が高まります。

中古品を購入する消費者だけではなく、中古品を販売する個人、事業者の方々にも気をつけて頂きたいことがあります。製品を販売する際には、その製品が安全であることに注意を配る義務が生じます。製品に何らかの問題があることを承知しながら(あるいは、気づける状況にありながら)その旨を伝えなかった場合、あるいは、虚偽の情報を伝えてそれが事故に繋がれば、販売した者がその損害を賠償する責任を問われることがあります。なお、個人であっても類似の製品を何回も出品・販売すれば事業者とみなされ、古物営業法による事業許可を得なければならない可能性が生じます。また、事業者は、個人にくらべてより重い責任を担います。

安い製品を買い求めても、それで事故にあえば大きな時間とお金を失いかねません。事故が命にかかわったり後遺症が生じるかもしれないのです。製品をお買い求めになる際は、SGマークが付いたものを信頼できる事業者から入手されることをお勧めします。そして、マークの有効期間がきたら買い替えてください。「転ばぬ先の杖」が、製品事故に防ぐ大事な心得となります。

2023年度